ANSARI X PRIZE competition勝利!SpaceShipOne!
〜この偉業の歴史的な本当の意義とは?〜
ついに1996年から始まった民間宇宙機開発レースANSARI X PRIZE competitionの勝者が決まった。1000万ドルの賞金を手にしたのは、アメリカのMojave Aerospace Ventures TeamのSpaceShipOneで終始このレースをリードしてきた。
SpaceShipOneは様々な歴史的な偉業をなしとげたといえるだろう。
■2004年6月21日に民間初の宇宙飛行という快挙を成功させ、パイロットのマイケル・メルビルは民間初の宇宙飛行士に認定された。
■2004年9月29日および10月4日の飛行を成功させ、ANSARI X PRIZE competitionの勝者となり、賞金1000万ドルを獲得した。
■民間宇宙旅行ビジネスの可能性、実現性を示し、これからの宇宙旅行時代の魁として英ヴァージングループと本格的なビジネスとして動き出した。 (ヴァージングループのヴァージン・ギャラクティックはSpaceShipOneをベースに大型化して5人乗客用の宇宙船VirginSpaceShip(VSS)を製造し、3年後の運航開始を目指す。)
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SpaceShipOne開発者のバート・ルータンはこれらの偉業は自分たちだけでできたわけではなく、主催のピーター・ディアマンディスをはじめとしたX PRIZE Foundation関係者、各参加チーム、サポータなどANSARI X PRIZEに関わったすべての人の勝利であると話している。
まさに、その言葉の通りであり本当に「おめでとう。そしてありがとう。」と祝福の言葉を贈りたい。
今回の出来事は報道などを見ると「民間初の宇宙飛行という快挙を成功させ、ANSARI X PRIZE competitionの勝者となり、賞金1000万ドルを獲得した。」「宇宙旅行をぐっと近づけた。」ということがクローズアップしているが、この出来事の本当の歴史的な意義は次のようなことである。
■政府でなくても低予算で民間レベルで宇宙機の開発が可能であることを示した。(今までできていないのは「できない」のではなく、「やろうとしない」からであることが証明された。宇宙局予算のほんの数%の資金で実現したのだ。)
■今までにない完全再使用型宇宙機の実現性を実際に示した。(宇宙飛行をして5日後にまた同じ宇宙船で宇宙に行くことは今までのロケットやスペースシャトルではまったく考えられなかったことである。宇宙旅行ビジネスとして使用するにはこのような再使用型の宇宙機が絶対不可欠なのである。これを民間で実際に実現して見せたことが本当に大きな出来事なのだ。)
■今後の宇宙旅行ビジネスの促進に向けて起爆剤になった。(いろいろな人が興味を示し、現実のもとしてとらえ始め、実際に動き出している。宇宙旅行の実現は加速されるだろう。)
X PRIZEの真の勝者は「賞金を獲得したもの」ではなく「民間宇宙旅行ビジネスで成功したもの」であり、他のチームにもまだまだ本当のX PRIZE勝者へのチャンスはあるのだと言うことを忘れてはならない。これからが本当のレースになるだろう。
そして、誰にでも簡単にいける宇宙旅行(The Space Tourism for everyone)が手に入る時期もぐっと近づくことになることを期待しています。
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