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日本経済成長に貢献する宇宙開発へ

- 消費者の買いたいサービスは中心に -

1. 初めに

 秋葉先生の幅広い発表に説明された通り、政府の宇宙活動の国益の一つは「経済産業効果」です。経済学者として私の発表はこれに集中します。日本経済の現状では、我々は何をするべきかというと、当たり前だと思いますが、日本経済の再生に貢献しなければなりません。具体的に言えば、赤字活動を減らして黒字活動を増やさなければ、日本経済の再生はなくて、50年ぶりによくない経済状態はどんどん大変になるでしょう。これについて宇宙産業もモラル的な責任があると思います。国民のため、若い世代のため、そして日本に期待している東南アジアのためにも、皆は本気で日本経済の再生のために努カしなければ行けません。

 11年間日本に住んでいる私は宇宙3機関の全てに働いたことがあります。ところで、その3機関の仕事はとても良くて、技術のレベルもすばらしいです。確かに、精密工学は日本人の得意です。日本製車の信頼性は世界中一番高いと知られています。そして宇宙3機関の同僚の能力も動機づけも非常にいいと思います。しかし、批判を言うことは好きではないけれども、宇宙機関の指導者が他の国の宇宙局をまねることしかしないと、日本の宇宙産業の赤字は終わらなくて、政府の金融危機のために宇宙活動の予算のカットは続くと思います。

 それについて、今まで日本の宇宙産業は日本の納税者から3兆円を使ったことがありますが、それから出てきている商業宇宙活動はまだ少ないでしょう。どうやって経済に貢献するかというと、消費者の需要は中心です。図1は普通のビジネスのお金の流れを示す。例えば1億円を投資すると、大体毎年1億円の売り上げが出てきて、その中の数割の利潤は何年間中、前の投資金額の倍ぐらいを返済しながら社会の資本は増えます。これに対照的に、宇宙局の3兆円の支出の結果として売り上げ高でも利潤でも出てきていません。日本だけでなく、世界中の宇宙局はこのパターンです。世界中の宇宙局は既に100兆円以上を使ったことがありますけれども、毎年100兆円の売上高の商業宇宙産業はないのです。実際、世界中の衛星とその打ち上げビジネスは年に約2兆円のぎりぎり赤字活動です。

ビジネス投資
宇宙局投資
図1 : ビジネスのお金の流れ


 従って、宇宙開発戦略を考えると、今までの宇宙開発の意味は「宇宙用技術の開発」と言えるでしょうが、これから「宇宙での経済開発」に狙う方がいいと私は思います。お金をどうやって使っても経済活動が行うが経済成長を生み出すために、商業的売上高と利潤の必要がありますので消費者が買いたいサービスを供給しなければなりません。

 ところで、20009月、日本経済新聞には、このことについて秋葉先生の記事が出て、日本の宇宙産業は再使用型ロケットを造って、新しい市場を探さなければ行けないと説明しました[1]。それに、宇宙からのエネルギー供給は大事なビジネスになるのではないかと書いていました。私の博士論文のテーマが宇宙からのエネルギー供給の経済性だったから大ファンですけれどもまだまだ実現できません。従って近年、それよりもっと目の前の宇宙ビジネス・チャンスも研究しています。これは航空産業のような宇宙観光産業の可能性と発展の経済的な価値です。

2. 宇宙観光産業の魅力

 ちょうど10年前、私が科学技術庁フェローとして働いていた時、世界初めて宇宙観光についての市場調査を担当しました。それで面白いことはわかりました。ほとんどの人々が、できれば、宇宙に行きたいと考えています(2に参照)。その後、その研究を進めるために、同じアンケートを米国、カナダ、ドイツ、イギリスでも行って、この結果は大体世界的な現象だと明らかになりました。若い人のほとんどは、女の子も男の子も同じように、宇宙へ行きたいのですが年上の人でも、半分ぐらいは、安全だったら宇宙へ行きたいと言います。

性別・世代別、宇宙旅行の需要パーセンテージ
宇宙へ行きたい人々の人数
・60歳以下の約8割の人が宇宙へ行くことを望んでいる。
・男性と女性の間にほとんど意見の差がない。
2 : 宇宙へ行きたい人々の人数

 それについて、航空宇宙技術研究所関係のスペースプレーンの研究の責任者達と一緒に4冊の論文を書いて、出版しました[2,3,4,5]。その論文の中で「観光は一番大きい宇宙ビジネスになるではないか」や「観光はスペースプレーンの一番大きい市場になりえるのでその設計に対して重大な影響を及ぼす」などを書いていましたが、あいにくその後、航空宇宙技術研究所でこの研究は止みました。私は1997年に宇宙開発事業団に招聘研究員になったからその仕事は航空宇宙技術研究所で続きませんでした。

しかし、その時以後、世界中の宇宙産業の皆はだんだん賛成することになってきました。1998年に、Nasaは宇宙旅行についての報告を出版しました[6]。その中で「宇宙観光は一番大きな宇宙活動になるだろう」等の結論はあります。又、その報告の参考文献の大部分は日本特に日本ロケット協会で行った宇宙観光についての研究論文です[6pp22,23]。又、AIAACEASの国際会議でも、宇宙観光は今度の一番大事な新しい宇宙ビジネスになるのではないかと書いていた[7]。同じ1998年の経団連の「スペース・イン・ジャパン」というレポートで、日本の宇宙活動を全部説明しましたが「商業化」という言葉は一回だけ使いました。「宇宙旅行は、宇宙活動の商業化に対する強い動機づけになることが期待されています」と書いてあります[8]

 それから2001年に、Nasaの契約でKelly Space & Technologyという米会社が再使用型ロケットの可能な市場を調べました。その結論も、航空産業のように宇宙観光の乗客は宇宙輸送の一番大きい需要になるではないかと述べていました。200211月に、米大統領の設立したPresidential Aerospace Commissionはレポートを提出して、その結論の中で、新しい打ち上げビジネスとして宇宙観光は望ましいではないかと述べていました[9]20031月、Futronという米コンサルタント会社は新しい宇宙輸送システムの可能な市場についてのファイナル・レポートをNasaMSFCに提出しました[10]。そのレポートには、今後の打ち上げ市場の違う可能性を調べて、やはり一番望ましいのは乗客ではないかと結論した[10]。又、20031月、何年前から2段式水平離着陸機の研究をやっている宇宙研の棚次教授は、新聞の記事で初めて宇宙旅行が大事な目的という話をしました[11]

 まとめとして、上記のレポートの全部は1993年日本で始まった宇宙観光産業の創立に目指す研究を支持しています。宇宙観光産業の可能性を調べている人の皆は同意しています。反対にしている論文はないのです。いわゆる赤字だらけの宇宙産業にとって、年に何十兆円の消費者へのセールスの航空産業のような宇宙観光産業は非常にいい目的だと言えます。しかし、この10年中、日本政府が2兆円ぐらいをこれ以外な宇宙活動に対して使ったのに、宇宙観光産業を実現するための研究予算はゼロでした。宇宙政策としてこれは究極的によくなくて、納税者に対して無責任でしょう。

3. 準軌道の「宇宙丸」プロジェクトの魅力

 それでは、今から始めようとすれば、詳しく何する方がいいかと言うと、準軌道用・再使用型・有人ロケットで始まる方がいいと私は何年前から提案しています。皆ご存じでしょうがl00キロまで行ってすぐ帰れるための必要なエネルギーは軌道へ行くより約1%だけなので、それで低コストの宇宙観光サービスの開始は可能です。ある人がこれは面白くないと思って、最初からでも軌道へ行かなきゃと言うのです。しかし、Futron社は、準軌道の宇宙観光サービスについても市場調査をやって、それもとても人気になると理解してきました[10]

 数年前、日本で、サントリー社はペプシーのキャンペーンとして、準軌道の宇宙旅行の切符を5人にあげますと発表したら、65万人が申し込みしましたので、やっぱり日本でも準軌道のサービスの需要も高いでしょう。

200210月にも、米政府の商務省(Department of Commerce)は準軌道用・再使用型ロケットについてSuborbital Reusable Launch Vehicles and App1icable Marketsというレポートを出版しました[12]。その中で、準軌道のロケットの利益はその乗り物のサービスだけでなく、軌道まで行けるロケットの開発の準備としての価値も最高だと述べていました。何年も前からそう書いていました[13,14]。準軌道用・再使用型・有人ロケットの運行は、航空産業と宇宙産業の深い協カでやれば、軌道へ行ける観光用ロケットの開発の最高の準備でしょう[15]

 軌道まで行けるロケットの開発は約1兆円かかるので、日本政府は両方の水平離着陸型と垂直離着陸型を開発することができないので一つだけを選ばなければならないと考えられるんですが、準軌道で始めれば選ばなくてもいいです。なぜかというと、もし日本政府が軌道へ行ける有人・再使用型ロケットを造ろうとしても、100%国産だったら他の国は買わないでしょう。ビジネスの現状では必ず国際プロジェクトになります。例えばボーイング777号機の3割は日本製です。そして他の国と同じように、日本でも水平型を支持する優れているエンジニアもいるけど垂直型を支持する優れているエンジニアもいます。従って、準軌道のロケットは安いから両方を国産プロジェクトとして造る方がいいです。

 図3は「宇宙丸」という重直離着陸型ロケットを示す。このぐらいだと数人運んで、100キロまで行って帰ることができます。そういう準軌道用・再使用型・有人ロケットの開発は300億円なので、軌道まで行ける使い捨て無人ロケットに比ベて安いです。垂直型と水平型の両方を造ったら、日本の会社は今度の軌道へ行ける国際プロジェクトに大事な役割をすることができるのですから、一つだけ選ぶより両方に参加する価値が高いです。


宇宙丸
3 : 準軌道用・再使用型・有人ロケットの「宇宙丸」号機

準軌道用・有人ロケットの開発が難しすぎるとは誰も言えません。現在でも、日本政府の宇宙予算は毎年約2000億円ですから、年に100億円の開発費は簡単にできます。「宇宙丸」号機の飛ぶ費用の大部分が燃料費なので、その運行も安いので飛行機のように何百回でも飛ばすことができます。

 運動エネルギーは、軌道に乗るエネルギーの約1%なので、「宇宙丸」の再突入のストレスなども激しくないのです。だから再突入して着陸したら、燃料を入れてもう一回飛ぶことができ、全く飛行機のように運航されることは可能です。運行会社の面から、毎日何回でも夜でも飛べるので望ましいです。開発も3,4年しかかからないのでメディアに興味深いでしょう。残念ですがメディアには後20年の話は誰にも面白くないのです。

 最初のテスト・フライトはパイロットだけですけれどもそれから研究者は自分の実験設備と一緒に飛べることになります。この唯一な可能性は研究者にとって魅力的でしょう。「宇宙丸」のキャビンが広いので、航空局からの免許を受けたら、数分の無重力は乗客にとって最高の体験です。これで消費者に人気サービスを供給することができるので、準軌道のサービスは本当に軌道上の宇宙観光産業への扉です。

4. 21世紀の重大な新産業

 20世紀の航空の歴史を眺めると、ライト兄弟の100周年2003年、毎日300万人の乗客を運ぶ航空産業は重大な新産業になりました。それに比べて、有人宇宙活動は既に42年中続いてますが政府の独占活動として規模はまだとても小さいです。今度、航空産業のように消費者の買いたいサービスを供給する宇宙観光産業の速い成長は非常に望ましいと思っています。

 図4でのシナリオを1999年に初めて出版しました[16]。今から本気で宇宙観光産業を実現しようとすれば、軌道までの観光サービスは今後10年ぐらいで始まることは可能です。それから、市場調査が示す人気のため、30年後までに需要は毎年数百万人の乗客まで増えるでしょう。基本的に、このサービスが国民に人気なので、こういう速い発展は可能ではないかと思われます。

2030年の宇宙観光産業
4 : 2030年の宇宙観光産業シナリオ

 米商務省はそう言う意見もあったのに、Nasaは興味ないから日本にいい機会があります。日本政府にはデフレやマイナス経済成長や50年ぶりに高い失業率などの対策は何するべきかといったら、一つしかないです。新しいビジネスと新産業を創立しなければ行けない。古い産業の保護で経済再生は無理です。そして新産業として、先端技術の需要を生み出す国民の買いたいサービスを供給する宇宙観光産業はすばらしいです。又、その将来での発展の可能性は無限でしょう。ある人の話によって、政府の宇宙活動に比べて観光サービスが大切ではないけれでも経済の面でこれは間違っています。事実はその反対です。

5. 「チャイナ・ショック」の対策

 2003年には「チャイナ・ショック」は行うでしょう。中国政府は有人宇宙活動を今年始めると発表しました。それに対して日本はどういう対策がいいかと考えなければならない。宇宙産業のある方々は中国を真似る方がいいと言っています。国産のH2Aロケットにカプセルを造って、同じことをすればいいと言っています。しかし、日本がそうすると、必ず負けます。まず、日本は何年遅れているでしょう。又、中国と同じものを造れば日本の費用は何倍高いです。又、成功してもそのプロジェクトの経済的な価値はゼロです。なぜなら使い捨てロケットに乗ることは、全くビジネスになりません。しかし、日本が何もしないと「やはり日本はだめだ。中国の時代だ」と世界中に言われて、世界中のメディアに見られます。

 それに対照的に、準軌道用・再使用型・有人ロケットを造ると発表すれば、上記の説明通り、この新産業に目指す再使用型ロケットが本当の宇宙時代への扉なので、その経済的な価値は高いです。消費者特に若者の需要に基づいているので、日本経済の再生の新しい方針になるのです。

 もう一つのいいことは、中国のメーカーがこれにまだ競争できません。使い捨てロケットの場合、中国にはミサイル産業があるから既に日本より進んでいます。しかし、有人ロケットの場合、信頼性は一番大事で、日本の世界一のメーカーの得意でしょう。宇宙観光産業や宇宙ホテルなどの信頼性は最高ではなければならないので、日本の会社が頑張ればこの産業をリードすることができます。その上、中国にはミドル・クラスの人たちはまだ少ないです。ただし、日本政府が10年間待つとすればこの機会は消えます。中国の産業の発展が速いので全部できることになります。従って、日本の航空宇宙産業はこれからも時間を無駄にすれば、中国に全面的に負けます。

 最近、www.spacefuture.comというホームページに連載している論文について面白いお願いがありました。そのホームページの中で、宇宙観光産業などについてバーチャル図書館があって、無重力のスポーツ・センターについて様々な論文も読めます。最近、中国の団体から「無重カのスポーツの論文をホーム・ぺ一ジに連載してもいいですか」というお願いがありました。無重力のスポーツはもちろんまだまだですけれども、冗談でもないです。中国はこの新しい産業に狙えば、日本の宇宙産業は無視し続けば日本の大損になるでしょう。

 ところで、「チャイナ・ショック」の対策として、この話は新しくないのです。1年前の記事で宇宙開発事業団の五代前副理事長は、目の前の中国の有人宇宙活動に対して日本はどうする方がいいかと書いていました。彼の結論は、やはり、基本的に誰でも行ける宇宙観光産業がいいではないかと言いました[17]

6. 日本政府の宇宙3機関統合

 日本の宇宙3機関に働きながら「宇宙観光産業を実現するための研究をしない方がいい」という意見をよく聞こえましたので、テーブル1にその理由と反論を集めました。それを読めば、この理由のため「宇宙丸」を造らない方がいいわけではありません。3機関統合後の新しい方針として考えれば、本気で宇宙観光産業に目指すために、航空産業の協力はなくてはならないので、経済産業省も国土交通省も参加しなければうまく行きません。

1 「前例がないからできない」
―こういう官僚的なルールを従えば経済成長は無理。
 
2 「今からすれば、今までやっていないことは批判される」
―今すぐはじめなければ、批判はもっと激しい。
 
3 「宇宙局には経済成長に貢献する責任はない」
―時代が変わった。今までの3兆円の投資からの利益を得ることは大事。
 
4 「宇宙局は地球軌道以上の活動しかしない」
―準軌道の宇宙活動に対しての差別は理屈だけ。
 
5 「宇宙観光産業は考えられない」
―大規模の航空産業と協力すれば考えやすくなる。
 
6 「ロケット・エンジンは危ないので安全性は無理」
―航空産業のロケット運用の経験はすでに50年間。
 
7 「失敗のリスクは宇宙局に危ない」
―リスク管理しながら飛行機のテスト・フライトのステツプ・バイ・ステツプのやり方のリスクは少ない。
 
8 「有人再使用型ロケツトの開発は無人のシステムの開発の後で良い」
―航空産業の「最初から有人」という考え方の方は正しい。又何年延期すればこのチャンスは消える。
 
9 「政府はお金持ちの人だけのサービスを用意するはずはない」
―最初のサービスが高いのに一人当たり数十万円まで安くなる。確かに、航空産業の最初の乗客は金持ちだった。しかし、その時の政府は支援したからその後航空産業の開発はめざましいものとなった。
 
10 「水平離着陸機は垂直離着陸機よりいい」
―準軌道用・有人ロケツトの開発は安いので垂直も水平も造ってもいい。将来に両方のシステムは役割がある。
 
11 「利潤を得る確率が100%ではないので止める方がいい」
―現在の宇宙活動の利潤を得る確率は0%。
 
12 「まだまだ、今後30年間の技衛開発の必要がある」
―準軌道用システムに技術は既に充分。又、時間はない。
 
13 「国民の期待は高くなり過ぎる」
―メディア戦略によって若者の「期待管理」は当たり前。
 
14 「観光はまじめな経済活動ではない」
―観光産業は世界経済の大事な部分。日本は遅れている。
 
15 「大学でやる方がいい」
―将来で可能になっても、最初から難しくて時間の無駄。
 
テーブル1 : 宇宙観光を実現しない理由

 1980年代には「日本的な経営」の良さは世界中認識されました。有名な例として、日本のメーカーの太陽電池と炭素繊維の技術の進め方はほめられました。米会社がこの先端技術を政府の衛星プロジェクトに使ったので、消費者向き商品の計算機とテニス・ラケットに使っていた日本の会社はばかにされました。しかし、それで日本のメーカーはセールスを増やしながら利潤を得て、技術を進めたので大成功しました。近年この「さすが日本のメーカー!」という例は少なくなったが「宇宙丸」は全くそのパターンで成功するはずではありませんか?政府独占活動の米国の有人宇宙活動を真似るより、エキサイティングな新サービスが欲しい若い日本人の消費者の消費カに基づいて開発すれば、経済再生に貢献する宇宙開発は早いでしょう。

7. 日本社会へも発展途上国へも貢献

 社会の面でも、宇宙観光産業の発展は大事な貢献すると私は思っています。現在、若者の「理系離れ」は先進国の大事な問題になっています。これに対して、工学と科学を理解するようなインセンティブとして、子供達も若者達も自分自身宇宙へ行けるという可能性より魅カ的な動機づけはないでしょう。数年前、若者の雑誌で、読者は「死ぬ前に一度なにをしたい?」と聞かれました。それに対して「死ぬ前に一度宇宙に行きたい」という返事は一番多かったです[17]。日本人の若い人たちは自分自身でも宇宙へ飛べる、数分だけなのに、昼でも空は黒くなって、星を見て、数分の無重カの体験は最高でしょう。

最後に、日本は国際責任もあると思います。米国の経済学者が認識したくないけど、発展途上国にとって誰のアドバイスがいいか米国か日本かというと、日本のアドバイスの方はいいです。東南アジアの国は全部頑張っていますが中南米の皆はめちゃくちゃでしょう。それは米政府のせいです。なぜなら米政府の政策は米会社がもうかるために形成されているのですが日本は大体、自分はどうやって経済成長できたか、それを教えます。

 最近、マレーシアのマハティール総理大臣が来日して「日本が元気になってください」というスピーチをしました。「日本がだめになると、東南アジアの皆は南米のようにだめになるでしょう」と心配しています。東南アジアの国は怖いですから元気な日本の社会と経済を本当に見たいのです。日本経済の成長を続けるために他の国がまだできない新産業を創立しなければなりません。今まで3兆円を宇宙活動に投資したのに、消費者に人気になれる活動に投資していないのは宇宙政策も経済政策もの大ミスです。

8. 結び

 文明の最盛期と後での崩壊を勉強していたDurant博士達という歴史学者の説明通り、ある国の経済と社会が弱くなる場合、その指導者は新しい対策をしないといけないと理解しても、やりたくないので「今のままで続いても、まだ問題はないでしょう」などの先送りすれば、その崩壊は進みます。これは日本経済の危険な現状ではないかと思っています。

 結びとして、ちょっと厳しいですが、日本人と国のため、宇宙産業の給料を払う納税者のため、日本人の若者のため、そして日本に期待している東南アジアと発展途上国のために、この日本経済に大いに貢献する準軌道用・再使用型・有人ロケット・プロジェクトに十分な予算をすぐ出さなければ、宇宙産業と国の指導者の恥だと見られることになると私は思います。以上です。

<発表に続き行われたPatrick Collins教授の質疑応答を掲載します。>

<質疑応答>

【秋葉】「大変すばらしい主張をなさいました。特にSub-orbitalフライトをまずやれと。全く同感でございまして、私が北海道で今やろうとしているのはそういうことです。それから昨年11月の、先ほどちょっとお話ししました、ハワイでやりました〔JSUP〕という会議。ここにX-CORというベンチャービジネスが出てまいりました。これがまさに人間が乗って、500万円で4分間の無重力を提供するというところ。将来は小型衛星も打ち上げますよと、そんなビジネスをやっているんです。人間が乗っているんですよ。

 私は、人間が乗るというのはできないことはないし、おっしゃるように、第二次大戦中は秋水(しゅうすい)などというロケット飛行機を日本は飛ばしましたからね。まあ、今やっている話はあんなものです。あれをもう少し性能をよくしているという話はありますが。ともかく推進系は非常にリライアブルで安全なものを使っていく。そういうことで立派に成り立つわけです。ですから、これを取りかかるべきだという主張は、まさに私も同感です。

 無人でやるか、有人でやるかという話はいろいろチョイスがございます。北海道はたぶん有人はいきなりはやらないと思いますけれども、そこへ行くのは、そこまでできれば、すぐ先の話でございます。

アメリカが何で有人でやるのか。要するに無重力実験のためだったら、人は何でいるのかという質間をした人がいましたが、無人機というのはライセンスをとるのが大変なんだそうですね。有人のほうが楽だそうです。何かそういう事情があるそうでした。ちょっとしたコメントでございますが。」

【コリンズ】 「ありがとうございました。それは非常にいい話だと思いますが無人の準軌道用ロケットを開発すると、国民もあまり興味ないので商業化すなわち売上高と利潤は出てきません。従って、経済の効果はほとんどないと思います。しかし、最初からの目的は有人とすれば、国土交通省や経済産業省などは最初から旅客機の免許に目指すとすればその経済の効果は非常にいいと思います。そうしたら、ロケット・エンジンをテスト・スタンドに200回に着火しなきゃなどのルールを決めれば、間題なしに進歩すると思います。又、必要なロケット・エンジンは大きくないから、何百回運用しても予算として考えられます。」

(注:秋葉=秋葉鐐二郎元宇宙科学研究所所長,コリンズ=パトリック コリンズ教授)

参考文献

1) 秋葉鐐二郎、2000、「宇宙開発、輸送新技術から : コスト減、需要生む」、日本経済新聞、97.
 
2) Collins et al, 1993, "possible directions for a new era of space activities", Proceedings of 5th International Aerospaceplanes Conference, AIAA-93-5011.
 
3)

Collins et al, 1995,"Towards the New Era of Space Transportation", Proceedings of 6th International Aerospaceplanes Conference, AIAA paper 95-6075.

 
4) P Collins et al, 1995, "Demand for Space Tourism in America and Japan, and its Implications for Future Space Activities", Advances in Astronautical Sciences, Vol. 91, pages 601-610, also at www.spacefuture.com/archive/demand_for_space_tourism_in america_and_japan.shtml
 
5) Collins et al, 1996, "Recent Efforts Towards the New Space Era", Proc. 7th International Spaceplanes Conference, AIAA paper 96-4581.
 
6) D O'Neil et al, 1998, "General Public Space Travel and Tourism", Nasa Report NP-1998-03-11-MSFC.
 
7) M Gerard & P Jefferson, (ed.s) 1998, "International Cooperation in Space: New Government and Industry Relationships", Report of an AIAA/CEAS/CASI workshop, AIAA, also at www.spacefuture.com/archive/report_of_working_group_4_of_the_aiaa_ ceas_casi_workshop_on_international_cooperation_in_space.shtml
 
8) 1998,「スペース・イン・ジャパン」、経団連、宇宙開発利用推進会議.
 
9) 2002, Final Report of the Commission on the Future of the U.S. Aerospace Industry http://clients.biznews24.com/aerospace
 
10) Futron, 2003, "Analysis of Space Concepts Enabled by New Transport-ation (ASCENT)", Nasa MSFC,  www.futron.com/pdf/exe_summary.pdf
 
11) Anon,2003「ニッポン号運賃百万円!?宇宙の旅米とコスト消減競争」、東京新聞、19日、11版、p28.
 
12)

Anon 2002 "Suborbital Reusable Launch Vehicles and Applicable Markets", US Commerce Dept, www.technology.gov/space/library/reports/2002-10-suborbital-LowRes.pdf

 
13) P Collins & K Isozaki, 1997, "The Japanese Rocket Society's Space Tourism Research", 1st International Symposium on Space Travel, Bremen.
 
14) P Collins & K Isozaki, 1997, "Recent Progress in Japanese Space Tourism Research", Proceedings of 48th IAF Congress, paper no. IAA-97-IAA.1.2.02.
 
15) P Collins & Y Funatsu, 2000, "Collaboration with Aviation: the Key to Commercialisation of Space Activities", Acta Astronautica, Vol 47, Nos 2-9, pp 635-646.
 
16) P Collins, 1999, "Space Activities, Space Tourism and Economic Growth", Proceedings of 2nd International Symposium on Space Travel, Daimler-Chrysler Aerospace GmbH.
 
17) 瀬川至朗、2002、「見て見ぬふり」、毎日新聞、24.
 
18) 早瀬ゆい、1997、「ゆいに教えて第20 : 死ぬ前に一度はコレをしたいっ!」、ニュータイプ誌、角川書店.
 

 
著者/発表者 : パトリック コリンズ
編者 : 平井 大輔
発表日 : 2003年1月24日
編集日 : 2003年10月24日
発表場所 : 宇宙科学研究所 第21回システム計画研究会
原文 : ISASシステム計画研究会(第21回) -我々は宇宙開発で何をやるのか(その3)- p8〜p20
 
 
   
 

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