■イントロダクション
宇宙丸は、準軌道(弾道)飛行で宇宙へ行くことを望む全ての人を運ぶ、安全で、低コストな世界ではじめての完全再使用型・垂直離着陸ロケットです。
宇宙丸プロジェクトは、日本のエンジニアと現代や近い将来に生きる一般国民の手によって低コスト旅客輸送ロケット機を実現させるために、2002年に開始されました。この旅客機は日本において世界で唯一垂直に離着陸する再使用型ロケット実験機の開発によって得た技術上のノウハウが集積され、地球低軌道用の旅客機・観光丸の開発への重要なステップとなります。プロジェクトは開始以来、プロトタイプの暫定的な仕様と概略デザインが準備され、実物サイズのモックアップをつくることが計画されています。
宇宙丸は、日本のエンジニアによって発表された無人の再使用できる観測用ロケットの詳細なデザインを基礎にしています。そのデザインは、再使用型ロケット実験機の運用によって得られた経験に基づきました。宇宙丸は、パイロット1人と乗客4人を宇宙へ運び、戻ってくるように設計されています。乗客は3分間の無重量状態を経験し、その目には感動的な地球の絶景、そしてしだいに黒さを増す空が目に映るでしょう。たとえ昼間の飛行であっても、その真っ黒な空間に輝く星々が出現します。
宇宙丸は、4つのエンジンを使用して、通常の空港または打上げ場から離陸し、最高3Gの加速で垂直に加速します。マッハ3以上の速度に達すると、いったんロケットエンジンは停止されますが、宇宙丸はそのまま上空100km以上の高さに達するまで上昇を続けます。乗客はエンジンが点火している間はベッドに横たわりながら、目の前にある窓から外の景色を眺め、その後いったんエンジンが切られると無重量状態となり、その中で浮かびます。宇宙丸が弾道飛行のピークを通り過ぎると、マッハ3以上に達しながら地球への帰還が始まります。大気の上端部に近づくにつれ、ゆっくりと減速が始まり、乗客はベッドの上にゆるやかに落ちてきます。そのベッドの上で乗客は宇宙丸の速度を落とす5Gの減速を体感し、その後パイロットはロケットエンジンを再点火、着陸へと移ります。
着陸後、短時間の点検が行われ、推進燃料と貯蔵用の空気を補給し、次の飛行に乗客が乗り込む準備が行われます。
宇宙丸は、数十万円というとても低いコストで乗客を宇宙へ運ぶ短時間のフライトに使用し、また宇宙研究者に低コストで実験と共に宇宙へ行く機会を与えます。そして、宇宙旅客機パイロットやスペコン、その他宇宙で働くことになる人々がトレーニングに使用します。他にも、ロケットエンジンから窓、そして無重力状態配管に到るまで広範囲にわたる様々な器材をテストするための試験台となるでしょう。
宇宙丸は、すでに過去5年間にわたって再使用型ロケットを運営してきた経験を持つ日本の航空宇宙エンジニアの能力をもってすれば3年間で実現できます。
宇宙丸が社会にもたらすものとは?
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