2005/10/19 (水)

国際宇宙会議宇宙旅行パネルディスカッション

10月18日 福岡で開催されている国際宇宙会議のメインイベントとしてX PRIZEの理事 ピーター・ディアマンデス氏が主催して、「Birth of the Personal Spaceflight Revolution」(個人宇宙旅行革命の誕生)と称したパネルディスカッションが行われ、大盛況となった。

このパネルディスカッションにはスペースアドベンチャーズ社のエリック氏やジャパンスペースドリームの堀江氏のほか、スペースフューチャージャパンからはコリンズ教授が出演した。

出演者は以下の通りである。
ピーター・ディアマンデス:X PRIZEのCEOで、ANSARI X PRIZEで民間宇宙旅行革命を成し遂げた、いわば個人宇宙旅行界のヒーロー、カリスマ的存在
アナーシャ・アンサリ:去年民間宇宙旅行を成し遂げたチームに贈られる賞金を提供した資産家、ANSARI X PRIZEは彼女の名前からとった。若き実業家の女性。
エリック・アンダーソン:3人の宇宙旅行者を送り出し、月旅行計画を打ち出しているスペースアドベンチャーズ社の社長、CEO。
堀江貴文:IT企業 ライブドアの社長でロシアの宇宙船アルマズを利用した民間宇宙旅行プロジェクト 「ジャパンドリームチーム」を設立
パトリック・コリンズ教授:20年以上民間商用宇宙旅行事業の実現を提唱し続けている経済学者。一人50万円以下で準軌道宇宙旅行を実現する宇宙丸プロジェクトを提案
イーロンマスク:米のIT実業家で、再使用型宇宙船ファルコンを建造するSpace X社を立ち上げている。

民間商用宇宙旅行の先陣を切る豪華な顔ぶれがそろい、会場は熱気と興奮に包まれた。
ディマンデス氏は、民間宇宙旅行がかつて無いほどのペースで進み、実現しようとしていることを強調し、これらの人々の力で実現していくことを予見した。
ANSARI氏は、民間宇宙旅行の夢を応援することに喜びを感じ、今後も実現していく為にさまざまな活動をしていくことを示した。
エリック氏は今後SA社が軌道へ、月へ宇宙旅行の最前線を切る活動をすることを紹介した。
堀江氏は、ジャパンスペースドリームのアルマズが民間宇宙旅行の価格を下げて行くことに貢献していくだろうと語りった。
コリンズ教授はこれまでの宇宙政策が民間人が宇宙へ行くことに少しも貢献していなかったが、これから違ってくるだろうと語り、最終的は一人50万円以下で実現する宇宙丸プロジェクトの存在を語った。
イーロンマスク氏はSpaceX社が軌道への安価なアクセス手段を提供する再使用型のロケットがこれからの宇宙事業を変えていくだろうと語った。

宇宙旅行の創世記の今、これら早々たる顔ぶれの人々とのネットワークも重要である。
例えば、堀江氏のアルマズをイーロンマスクのファルコンが打ち上げ、これをSA社のエリック氏が販売するという事業形態もありえるだろうと語った。

パネルディスカッションでは1000人が収容できるメインホールで立ち見がでるほどの盛況ぶりとなり、民間宇宙旅行の関心が極めて高いことが改めて証明された。

また、会場にはthe Heinlein PRIZEのDuo氏が、Heinleinプライズにジャパンスペースドリームがエントリしていることを発表した。
Heinlein PRIZEは商用ベースで成功した商用宇宙プロジェクト(宇宙旅行でも地球観測でもなんでも良い)に贈られる、宇宙産業の発展を目的とした賞であるが、本賞を獲得できたほど成功したプロジェクトは今のところ無い。(このことからも民間宇宙産業がまだまだ発展途上あることが伺える。)

SF/Jではこの会議の模様を後日無料で配信する予定です。
ご期待ください。

関連サイト
毎日新聞社