2004/09/16 (木)

SpaceDevがハイブリッド・ロケットをSS1へ出荷

カリフォルニア 2004年9月13日 SpaceDev(OTCBB: SPDV)社はSpace Ship Oneのためのロケットエンジン ハイブリッド・ロケットモーターの組み立て製造を完了し、スペース・シップ・ワンの待つモハーベ(カリフォルニア)へ出荷した。

スペースシップワンで用いられている推進ロケットはSpaceDev社の技術を用いている。スペースシップワンのプロジェクトを行っている「スケールド・コンポジット」社は機体の設計や材質などの技術は優れているが、ロケット技術や制御技術などは他社の開発により実現している。

SpaceDev社の代表 ジム・ベンソン氏は、今回のまったく新しい技術のロケットモーターは僅かに1000万ドル(約11億円)の開発費と2年以下の期間で開発することができたと述べ、NASAなどの研究機関の開発費と期間に比べて民間では格段に安く、そして短期間で開発することが重要であり、可能であると述べた。
この速さは、コンピューター革命と似ており、CPUの性能と値段が凄い速さで向上し、値下がりしていったように、SpaceDev社のハイブリッドベースの推進システムは凄い速さで性能の向上と価格の低下を実現し、民間の宇宙事業を1000億ドルの産業に変革することができる足がかりとなるだろうと述べた。

ハイブリッドロケットはスペースシップワンのために開発されたものの他に、SpaceDev社で開発中の「Streaker」というロケットに使用することが計画されている。
Streakerは短段式の低軌道用ロケットで、1000ポンド(約450kg)のペイロードを高度400km程度の低軌道へ乗せることを目的に計画されている。
ハイブリッドロケットは、準軌道(弾道)と軌道の両方に用いられる安価なロケット技術として有人の宇宙飛行システムによる宇宙旅行やロケットビジネスに用いられることを目的としている。

SpaceDev社はこの他にも革新的な宇宙製品を次々と開発し、準軌道用の有人宇宙飛行、軌道用のハイブリッドロケットによる推進システムだけでなく、ミクロ・ナノ衛星の開発や軌道投入用のTransferVehiclesのデザイン、製造。宇宙事業のマーケティングなど多岐にわたる宇宙事業を展開している。

スペースシップワンの挑戦は1回目を9月29日に予定され、2回目を10月4日に予定されている。ディスカバリーチャンネルでは10月2日に2時間の特別番組の放送を計画している。(CSなどで見れる方はお見逃し無く)

関連サイト
SpaceDev社
スケールド・コンポジット社
ANSARI X PRIZE