SpaceDev社の創設者の一人であるジム・ベンソン(Jim Benson)氏は宇宙旅行事業と小惑星採掘事業を単なる空想ではなく、現実的なビジネスプランの一部として活動している企業家である。
彼はスペースシップワンの民間初の宇宙飛行の成功に、宇宙事業の本格的到来を確信している。
サンディエゴを拠点とするベンソン氏の会社「SpaceDev」は、今回歴史的成功を収めたスペースシップワンのロケット推進技術の大部分を提供している。
ベンソン氏は、これが単なる無名の宇宙事業会社の業績以上の成果となることを計画している。
ベンソン氏の会社の製品は今後の宇宙旅行事業の主役となるかもしれない。
スペースシップワンの成功の時、投資者ポールアレン、開発者バートルータン、操縦士マイクメルビル氏らは群集から拍手喝采を受けマスコミから注目を浴びた。
しかし、スペースシップワンの開発に重要な役割を果たしたベンソン氏は群集の影に隠れて目立たない存在だった。
けれども、最後に宇宙旅行事業で勝利するのはベンソン氏かもしれない。
スペーシップワンは2000万ドル程度で開発に成功した。
スペースシャトル1機の開発費は4億ドル以上であるから、これは格段に安い開発費である。
スペースシップワンに投資したポールアレン氏の目標はANSARI X PRIZEの優勝で1000万ドルを手に入れることである。
しかし、ベンソン氏は格段に安くて画期的な宇宙製品を世に送り出し、これを売り込むことによって利益を上げようとしている。
ベンソン氏は元々は小さなソフトウエア会社から出発したIT企業家の一人である。
彼はIT事業で成功した個人の財産の500万ドル以上をSpaceDevに投資して設立した。
SpaceDev社は衛星のオーナーをオークションで出展するという常識ハズレな事業で一躍有名となった。
彼は宇宙産業がもたらす経済的効果はIT産業以上であり、コンピューター産業以上の巨大なビジネスチャンスがあることを確信している
宇宙観光産業が巨大な市場となることは間違いない。
それ以上に魅力的なのが小惑星採掘事業である。
宇宙には膨大な資源が眠っており、地球近傍の小惑星にはニッケル、プラチナ、鉄、およびその他の貴重な鉱物に加えて、ロケットの燃料となる酸素と水素を採掘できるという。
「小惑星が持つ資源は太陽が晩年を迎える時まで、100億人の人口を維持できるくらいの資源がある」
アリゾナ大学の惑星科学者ジョン・ルイスは説明する。
ベンソン氏のような優れた企業家が次々と現実のビジネスとして宇宙産業へ乗り出す時代が始まろうとしている。
関連サイト
Fortuneのサイト
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