いよいよ1996年から始まった民間宇宙機開発レースANSARI X-PRIZEの勝者が決まる。
1000万ドルの賞金を手にするのは、アメリカのScaled CompositesチームのSpaceShipOneかカナダのダビンチ・プロジェクトチームのWild Fireか本当の勝負が始まる。X-PRIZEには世界各国から26チームがエントリーしているが、賞金争いは完全にこの2チームに絞られたといっていいだろう。
X-PRIZEでは2週間で2回の飛行が必要である。1回目の飛行は今まで優勢に進めてきたSpaceShipOneが早く9月29日である。Wild Fireは3日遅れの10月2日である。それぞれが1回目の飛行を順調にクリアした後、本当の勝負は2回目の飛行にかかるため、Wild Fireにも逆転のチャンスが十分にあるのだ。
要は1回目の飛行と2回目の飛行の間の時間、すなわちメンテナンス(点検、補給)にかかかる時間の速さと正確さにより勝負が決まることになる。まさに勝負の行方は本当にわからないデッドヒートになるのでかなりの盛り上がりを見せることになるだろう。
なお、SpaceShipOneとWild Fireはその方式の違いもさることながら、チームの構成や資金面も対照的であり、これもレースを面白く、興味深くする要因である。
そして、賞金を手にしたものが、これからの民間宇宙旅行時代をリードしていくことになるが、X-PRIZEの真の勝者は「賞金を獲得したもの」ではなく「民間宇宙旅行ビジネスで成功したもの」であり、他のチームにもまだまだ本当のX-PRIZE勝者へのチャンスはあるのだと言うことを忘れてはならない。
ANSARI XPRIZE